太陽光発電の仕組みと売電の流れ

太陽光発電のしくみと原理・電力買取の流れ

国の固定買取制度(FIT)が始まってから、一気に太陽光投資が普及したことで、地方では太陽光パネルが設置されているのが散見されます。

 

そんな太陽光発電のシステムですが、どのようにして電気が発生しているのかご存知ですか?

 

ここでは、太陽光による発電の仕組みと電力会社による売電までの流れについて整理してみましょう。

 

そもそも電気はどのようにして作られるのか?

現代社会において、必ずといっていいほど必要なものとして挙げられるのが「電気」ではないでしょうか?

 

各家庭もオール電化の流れとなり、さまざまな家電製品が家庭を便利にしてくれています。

 

その電化製品の動力となっているものが「電気」です。

 

そんな電気ですが、さまざまな力を使うことによって発生させています。

 

日本で使われている発電方法には、火力、原子力、水力、風力、太陽光、バイオマスがあります。

 

その中で、基本的に太陽光以外はそれ自体の「力」を活用してタービンを動かし電気を発生させています。

 

火力であれば燃料を燃やした蒸気によって発電機を動かします。風力であれば風の力、水力は水の力、という具合に動力を動かす力を活用することで発電させるわけです。

 

では、太陽光の場合はどのように発電するのでしょうか?

 

光ですから、それ自体で発電機に力を加えることはできません。

 

ではどのように発電しているのかというと、太陽光発電というのは、「光電効果」という原理によって発電させています。

 

光電効果というのは、光が物質に当たると「電子」が飛び出す現象の

ことを言います。

 

物質から電子が飛び出すと「正孔」が生じ、「正孔」がプラスの電荷、「電子」がマイナスの電荷となり、電流を生じさせます。

 

ただ、「電子」と「正孔」は引き合う性質を有しているので、何もしないと結合して熱となってしまいます。

 

そのため、これらを引き離す必要があります。その役割を担うのがあの太陽光パネルの中にある「半導体」です。

 

太陽光パネルには、「P型シリコン」と「N型シリコン」という半導体が張り合わせられています。

 

P型シリコンとN型シリコンの接合面に太陽光が当たると、「電子」と「正孔」が発生し、「電子」はN形シリコンへ、「正孔」はP形へ引き寄せられこれにより電気を取り出すことが可能になります。

ちなみに「シリコン系」以外には「化合物系」や「有機物系」のものがあります。

 

上記の仕組みによって、太陽の光が電気として生まれ変わるのが太陽光発電の特徴です。

 

太陽の光も不滅ではないと言われますが、現在生きている上で必ず存在するものですから、エネルギーの供給がなくなるという心配はありません。

 

ただし、発電量は天候によって左右されたり、夜間は発電できなかったりするので、24時間安定的に供給できない点もあります。

 

太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの今後

太陽光をはじめ、風力・地熱・バイオマスのことを再生可能エネルギーといいますが、国の支援もあり年々増加しています。

 

地球温暖化の原因であるCO2を削減する目的で、火力などの燃料を消費した発電形式から脱却して再生可能エネルギーを活用していく流れとなっています。

 

地球環境の保護という視点から考えると、今後も再生可能エネルギーによる発電方法は着目されると予想されます。

 

 

電力会社の電気買取と売電のしくみ

2012年7月1日から太陽光など再生可能エネルギーで発電した電気は電力会社が一定価格で買い取ることを「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」により義務付けられました。

 

再生可能エネルギーによる発電ですから、先ほども挙げたように、太陽光だけでなく、風力や水力、地熱、バイオマスによる発電も含まれます。

 

地球環境を守るために、クリーンな再生可能エネルギーを使用した発電設備を大量に増やしていくことを目的としています。

 

ちなみに、固定価格買取制度の資金源はどこから来ているのかというと、「再生可能エネルギー賦課金」によって支えられています。

 

再生可能エネルギー賦課金は、各家庭や会社などで使用した電気料に一定の割合を掛けて計算され、電気料金に加算されています。

 

再生可能エネルギーによる発電は、すべての国民に負担を課してでも普及させたいという国の思惑がみてとれます。

 

これによりFIT制度の改正が行われ(改正FIT法)、①新認定制度の創設、②コストの効率的な導入、③リードタイムの長い電源の導入、④減免制度の見直し、⑤送配電買取への移行、そして⑥「事業計画書」の提出、が義務付けられるようになりました。

 

また、買取義務者が「小売電気事業者」から「送配電事業者」に変更になりました。

 

これにより国民の負担を増大させることなく、より適切な太陽光発電ビジネスが行える土台が整ったと言えます。

 

電力会社に対する売電のしくみ

『電気は水と同じで電圧が高い方から低い方に流れる』という性質があります。太陽光発電設備は、この性質を利用しているので何もしなくても配電線に電気が流れることで売電する仕組みとなっています。
太陽光発電所の電圧は、周囲の配電線を流れる電気よりもやや高い電圧に設定されます。そうすることによって、何もしなくても発電された電気が配電線に流され、電力会社に売れていくのです。

 

参考資料:

太陽光発電のしくみと原理・電力買取の流れとは?:安心太陽光発電 エコの輪