AIを使っていると、
ついこんな質問をしてしまうことはないでしょうか。
- どれが正解ですか?
- 一番おすすめはどれですか?
- この中なら、どれを選ぶべきですか?
一見すると効率的に見えるこの行為は、
判断をAIに委ねてしまう典型的なエラーです。
この記事では、
「正解を探し続ける」ことで
なぜ判断力が削られていくのかを整理します。
「正解を知りたい」は自然だが、危険でもある
判断に迷ったとき、
正解を求めるのは自然な反応です。
特にAIは、
- 即答してくれる
- 理由を説明してくれる
- もっともらしい選択肢を並べてくれる
ため、
判断の代行者として非常に優秀に見えます。
AIは「正解らしさ」を作るのが得意
AIが提示するのは、
- 多数派に近い答え
- 無難で破綻しにくい選択
- 一般論として成立する結論
つまり、
平均点の高い答えです。
それ自体は間違いではありません。
問題は、それを自分の判断として採用してしまうことです。
判断委任エラーが起きる構造
このエラーは、
次の条件がそろったときに発生します。
選択基準が言語化されていない
- 何を優先したいのか
- 何を捨ててもいいのか
- 何を成果とするのか
これらが曖昧なまま、
「どれが正解ですか?」と聞いてしまう。
するとAIは、
基準を勝手に補完した答えを出します。
判断の責任を負いたくないとき
- 失敗したくない
- 間違えたくない
- 後悔したくない
こうした心理があると、
判断を外部に預けたくなります。
AIはその受け皿として
都合の良い存在になります。
この判断エラーが厄介な理由
判断委任エラーの怖さは、
自覚しにくいことにあります。
合理的に見える
- データに基づいている
- 客観的に見える
- 感情に左右されていない
そのため、
正しく判断している
失敗しにくい選択をしている
という感覚が生まれます。
判断力が蓄積されない
AIに判断を委ね続けると、
- なぜそれを選んだのか説明できない
- 次に同じ場面で迷う
- 応用がきかない
という状態になります。
判断しているようで、
判断経験が一切残っていないのです。
AIに振り回されない人の思考法
AIをうまく使っている人は、
質問の仕方が違います。
「正解は?」ではなく「前提は妥当か?」
彼らはこう聞きます。
- この前提でズレているところは?
- この選択の弱点は?
- 想定外が起きるとしたらどこ?
AIを
判断者ではなく検討相手として使っています。
選択の理由を自分で引き取っている
最終的には、
- なぜこれを選ぶのか
- なぜ他を捨てるのか
を自分の言葉で説明できる形にします。
正解かどうかより、
判断として成立しているかを重視します。
この判断エラーに気づいたらやること
複雑な対策は不要です。
まずはこの問いを挟んでください。
「これは誰の判断か?」
- AIが選んだのか
- 自分が選んだのか
もし説明できないなら、
判断が委任されています。
その瞬間に立ち止まるだけで、
流れは変わります。
シリーズ内での位置づけ
この記事は、
- 前回:
👉「まだ良くできるはず」判断停止エラー - 今回:
👉「正解を探し続ける」判断委任エラー
という2大頻出エラーの一角です。
まとめ|判断しない限り、前には進まない
AIは優秀です。
しかし、判断まで代わってくれるわけではありません。
「正解を探す」行為は、
ときに思考を止め、
成果から遠ざけます。
判断を取り戻すことが、
AIを使いこなす第一歩です。

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