Jogtimeのハブ・クラスター設計は、最初から正しく機能していたわけではありません。100記事をdraftに戻し、フレイルを中核に据え直し、3段階の階層を設計し直した記録です。この記事では「何をハブにするか」の判断基準と、設計を修正した経緯を正直に書きます。
ハブ記事とクラスター記事——この2つの概念は、SEOを学んでいると必ず出てきます。
でも、「分かった気になって実装してみたら、うまく機能しなかった」という経験をした人は少なくないと思います。私たちも同じでした。
Jogtimeは、ビジネッツが思想設計の実証サイトとして運営しているフレイル予防メディアです。現役理学療法士18年の専門性を核に、「外出は最高のフレイル予防」という思想を軸に設計しています。
この記事では、Jogtimeのハブ・クラスター設計の実際——うまくいかなかった初期の状態から、判断を重ねて今の構造に至るまでを、設計記録として公開します。
なぜこの設計記録を残すのか
ビジネッツの前回の実践ログで、Jogtimeを立ち上げた経緯と設計思想を記録しました。
→ なぜJogtimeを作ったのか:設計思想と立ち上げの判断記録
今回はその続きです。「なぜ作ったか」の次は「どう設計したか」——具体的なハブ・クラスター構造の設計判断を記録します。
Jogtimeは現在、フレイル予防テーマで30記事が公開済みです。ただし、この30記事にたどり着くまでに、一度サイトをほぼゼロから作り直しています。その経緯も含めて、正直に書きます。
設計の前提:JogtimeとBizinets思想の接続
Jogtimeの思想は「外出は最高のフレイル予防」です。
フレイルとは、筋力低下・疲れやすさ・活動量の減少などが重なり、要介護になりやすい状態のこと。ただし、完全な要介護状態ではなく、今から整え直せる可逆的な段階です。
この「今から変えられる」という性質が、サイト設計の核になっています。読者に「自分はもうだめだ」ではなく「今日から少しだけ変えられる」と思ってもらうこと——それがJogtimeの目的です。
ビジネッツの設計思想「思想→判断→実務→成果」に当てはめると:
- 思想:外出を通じたフレイル予防
- 判断:フレイルを最上位ハブに据え、外出を第2層のハブにする
- 実務:ハブ・クラスター構造の記事設計と内部リンク設計
- 成果:読者が記事を読んで「今日外に出る理由」を見つけられる
思想型ブログが収益化できる理由との接続については、こちらも参照してください。
実際の数値:現在のJogtime構造
現時点のJogtimeの状態を数字で示します。
- 公開記事数:30記事(フレイルテーマ)
- ハブ記事(hub_level 1):2記事(「フレイルとは?」「フレイル予防の基本」)
- 第2層クラスター:4記事(症状・原因・チェック・外出効果)
- 第3層クラスター:3記事(外出頻度・外出習慣・散歩効果)
- インデックス状況:少しずつインデックスされ始めている段階
- アクセス:現時点ではほぼゼロ
この数字を私たちはどう見ているか。「成果が出ていない」ではなく、「設計し直してから30記事・Googleが再評価している途中」という状態だと判断しています。以前のJogtimeは100記事近くあってもGoogle上ではほぼ存在していないのと同じ状態でした。記事数より設計の純度を優先した結果として、この数字を受け止めています。
構造分析:Googleから見ると新規サイトと同等の扱いのため、インデックスに時間がかかるのは設計段階から予測していた結果です。焦って記事を追加するより、ハブの充実度と内部リンクの整備を先に固める判断をしています。
判断基準:インデックス数が30記事中10記事を下回る状態が2か月続く → 内部リンク設計の再確認とサイトマップ送信頻度の見直しを先にやる。記事追加はその後。
何が失敗だったのか:100記事をdraftに戻した経緯
Jogtimeは約3年前に「ランニング系サイト」として立ち上げました。
当時は走ることをテーマにした記事を、100記事近く公開していました。ところが、その後サイトの方向性を「フレイル予防・高齢者の健康」に転換することを決めた際、既存の100記事はすべてdraftに戻す判断をしました。
なぜdraftに戻したのか。
フレイル予防という思想を核にするためには、ランニング記事群がノイズになると判断したからです。GoogleはサイトのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)をサイト全体で評価します。「ランニング記事100本+フレイル記事10本」の状態では、Googleがサイトのテーマを判定できず、フレイルの専門性として評価してもらいにくい。
思想の純度を守るために、過去の資産を捨てる判断をしました。
3年分の作業がdraftになるわけで、当時はかなり勇気がいりました。それでも「テーマが混在したまま記事を積み上げても、根本が解決しない」という判断が先に立ちました。
サイトのテーマが混在したまま記事を積み上げても、Googleはサイトの専門性を判定できません。「記事数が多い=評価が高い」ではなく「テーマの一貫性が高い=専門サイトとして評価される」です。テーマを絞ることは、捨てる判断であると同時に、設計の純度を上げる判断です。
ハブとクラスターの設計:最初はうまく分けられなかった
draftに戻した後、フレイルテーマで設計し直す段階でも、最初はハブとクラスターをうまく分けられませんでした。
当初は戦略として提案してもらった「ハブ=中核・クラスター=枝」という構造を使っていたものの、正直なところ腹落ちしていなかった。記事数が少ない段階でとりあえずラベルを貼っていただけで、「どの記事がどの層か」の判断基準が自分の中にありませんでした。
記事が10本を超えたあたりで、ようやく「ハブは中核でクラスターはロングテールを狙う枝」という役割の違いが実感として分かってきました。ただ、その段階で階層を整理し直そうとすると、内部リンクがずれてしまって修正に手間がかかりました。
Jogtimeで判断基準にしたのは「読者の問いの抽象度」です。
最も抽象度が高い問い(「フレイルとは何か」「どう予防するか」)をhub_level 1に固定。そこから派生する具体的な問い(「症状は?」「原因は?」「外出の効果は?」)を第2層、さらに具体的な問い(「頻度は?」「習慣化するには?」)を第3層に置く。
この軸が決まってから、「次の記事はどの層か」が書く前に判断できるようになりました。
ハブとクラスターは記事の長さや情報量で分けるのではありません。Jogtimeでは「読者が最初に持つ問い」がハブ、「そこから派生する問い」がクラスターという判断軸にしました。この軸が決まると、新しい記事を書くたびに層の判断が自然にできます。
判断の記録:なぜフレイルを最上位ハブにしたか
Jogtimeのhub_level 1は「フレイルとは?」と「フレイル予防の基本」の2記事です。
なぜ「外出」ではなく「フレイル」を最上位に置いたのか。
理由は読者の入口にあります。
Jogtimeに来る読者の多くは「フレイル」という言葉を検索してきます。「外出 効果」では来ない。「フレイル 予防 方法」「フレイルとは」という問いが入口です。一方、サイトの思想は「外出は最高のフレイル予防」なので、最終的に読者に「外出しよう」と思ってもらうことが目的です。
構造は:**フレイルを知る(ハブ)→ フレイル予防の方法を知る(ハブ)→ 外出の効果を知る(第2層)→ 具体的な外出の仕方を知る(第3層)**という流れです。読者の「問いの順番」に沿って階層を設計しました。
また、理学療法士18年の専門性を活かしやすいテーマでもありました。フレイルは臨床現場でも扱う概念なので、「専門家が書いている」という信頼性をEEATとして自然に乗せられます。YMYL(Your Money or Your Life)領域である医療・健康情報では、このEEATの担保が特に重要です。
「〇〇を通じて△△を実現する」という形で思想を1文にまとめる。Jogtimeの場合「外出を通じてフレイルを予防し、高齢者が自分らしく生きる日常を支える」。
「読者が最初に持つ問い」から「最後に持つ問い」まで抽象度順に並べる。上位がハブ候補、下位がクラスター候補。Jogtimeではこの作業をしてから初めて階層が安定しました。
ハブは多すぎると機能しない。2〜3記事に絞り、そこから内部リンクが広がる構造にする。Jogtimeでは「フレイルとは?」「フレイル予防の基本」の2記事に固定。ハブが増えたくなったら、まず既存ハブを強化する。
現在の数値と次の検証ポイント
現時点のJogtimeで私たちが観測しているのは、主にGSCのインデックスカバレッジと、ハブ記事(what-is-frailty / frailty-prevention)の表示回数の推移です。被リンク数で見ると、上位ハブへの流入リンクが what-is-frailty に5本、frailty-prevention に7本と、設計した流れに沿ったリンクが機能し始めています。
アクセスはまだほぼゼロですが、「ハブへのリンクが集まっているか」は記事を追加するたびに確認しています。ハブへのリンクが薄いまま記事だけ増えると、設計の意味がなくなるからです。
次に見る検証指標(GA4・GSC):
- GSCのインデックスカバレッジ:30記事中20記事超が1か月以内にインデックスされるか
- GSCの検索パフォーマンス:ハブ記事の表示回数が週単位で増加傾向にあるか
- GA4の流入経路:ハブ→クラスターの遷移が発生しているか(設計した動線が機能しているか)
判断基準:2か月経過後にハブ記事の表示回数が週10回を下回る → クラスター記事の追加より先にハブ記事のリライトを優先する。
この後どうなったか(継続記録)
現在Jogtimeはインデックスが始まりかけている段階で、アクセスの変化はまだ数値として出ていません。
今まさに観測しているのは、ハブ記事2本(what-is-frailty / frailty-prevention)がGSCの検索パフォーマンスに表示され始めているかどうかです。週次でGSCを確認し、表示回数がゼロのままか、わずかでも増えているかを記録しています。「設計を変えてから何週間でGoogleが反応し始めたか」を記録に残すことが、次の実践ログの素材になります。
断言はしません。ただ、「思想の純度を守った設計がGoogleにどう評価されるか」は、Bizinetsの証明装置としてJogtimeが担う役割そのものです。結果が出た段階で、数字とともに記録します。
以下の項目を確認してください。
- サイトの思想が1文で言えるか
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→ NOなら記事を書く前に止まる。思想が決まらないとハブのテーマが決まらない。
- ハブ記事が2〜3記事に絞られているか
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→ NOなら絞り込む。ハブが増えたくなったときは、まず既存ハブを強化することを先にやる。
- 各ハブから下位クラスターへの内部リンクが設計されているか
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→ NOならリンク設計を先に作る。記事を書いてから内部リンクを考えると崩れる。
- サイトのテーマが混在していないか
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→ YESなら整理を優先する。テーマが混在したまま記事を積み上げても専門性として評価されない。記事追加より先に整理する。
- アクセスがゼロでも設計を優先していいのか迷います
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Jogtimeも現時点でアクセスはほぼゼロです。それでも設計を優先しているのは、「アクセスが出てから設計を直す」では手遅れになることが多いからです。設計が崩れたまま記事を積み上げると、修正コストが記事数に比例して増えます。アクセスゼロの段階は「設計を固める猶予期間」として使う判断をしました。
- ハブを2本に絞るのは少なすぎないか、と悩みました
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Jogtimeでも同じ迷いがありました。結論として、ハブは「増やす」より「深める」方が機能します。ハブが3本・4本に増えると、クラスターの帰属先が分散してリンク構造が薄くなります。まず2本のハブを強くして、そこへのリンクを集める。ハブを増やすのはその後の判断でいいと考えています。
- 既存記事をdraftに戻すのは極端ではないですか?
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Jogtimeの場合、ランニング記事100本とフレイル記事が混在した状態では、Googleがサイトのテーマを判定できないと判断しました。「全部残して両方頑張る」という選択肢もありましたが、思想の純度とEEATの担保を優先した結果です。正解かどうかはまだ検証中ですが、「テーマを絞った設計の方が長期的に機能する」という判断基準は変わっていません。
まとめ:再現するための3つのポイント
Jogtimeのハブ・クラスター設計から、自分のサイトに応用できるポイントを3つ整理します。
ポイント①:思想を先に決める、ハブはその後
ハブ記事のテーマは「サイトの思想」から逆算します。Jogtimeでは「フレイル予防」という思想が先にあったから、「フレイルとは?」がハブになりました。思想がないままハブを決めようとすると、何をハブにすればいいか分からなくなります。
ポイント②:「読者の問いの抽象度」で階層を決める
記事の長さや情報量ではなく、「読者がどの順番でこの問いを持つか」で階層を決めます。最初に持つ問いがハブ、その問いから派生する問いがクラスターです。Jogtimeではこの判断軸が決まってから、設計が安定しました。
ポイント③:テーマが混在したままの記事は整理を先にやる
記事数が多くても、テーマが混在していると専門性として評価されません。痛みを伴う判断でも、思想の純度を守ることが長期的な設計として機能します。
この記事の実践が自分のサイト設計にどう活かせるか、まず判断軸から確認したい方はこちらへ。


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