AIを使っているのに、なぜ前に進まないのか
AIを使えば作業は速くなる。
アイデアも文章も、コードもすぐに出てくる。
それなのに、
- ずっと調整している気がする
- 何度も書き直しているのに完成しない
- 「もっと良くできる気がする」が止まらない
そんな状態に陥っていないでしょうか。
これは能力不足でも、AIの使い方が悪いわけでもありません。
設計がないまま改善を回していることが原因です。
「改善のための改善」が起きる典型パターン
AIを使った実務で、よく見かける流れがあります。
- ひとまずAIに出してもらう
- それなりに良さそう
- でも「もう少し良くしたい」と思う
- 追加で改善案を出してもらう
- 別の観点の指摘が出てくる
- また直す
- 終わりが見えなくなる
ここで問題なのは、
どこをゴールにしているかが決まっていないことです。
AIは改善点を無限に出せます。
それ自体は間違いではありません。
しかし、人間側が「ここで終わる」という判断軸を持っていないと、
改善は目的ではなく作業そのものになってしまいます。
AIは「判断」を代替してくれない
多くの人が無意識に期待しているのが、
AIが最適解を出してくれるはず
という状態です。
ですが、実際にはこうです。
- AIは選択肢を増やす
- AIは改善案を提示する
- AIは視点を広げる
どれも「判断」ではありません。
判断とは、
- 何を採用し
- 何を捨て
- どこで止めるか
を決めることです。
ここをAIに委ねようとすると、
「改善のための改善」に確実に入ります。
実務から成果に繋げるために必要な設計
では、どうすればいいのか。
ポイントはシンプルで、
AIを使う前に「成果の定義」を固定することです。
ここで言う成果とは、
- 完璧なもの
- 最高品質
- 100点のアウトプット
ではありません。
例えば、
- 公開できる状態
- 判断材料として十分
- 次の行動に進める
このレベルで十分です。
実務で使える「3つの固定点」
AI活用がうまくいく人は、
実は無意識にこの3つを固定しています。
① 目的(何のために作るか)
- 読者に何を判断してもらうのか
- 自分は何を決めたいのか
これが曖昧なままAIを使うと、
改善は永遠に続きます。
② 使用範囲(どこまでAIに任せるか)
- 構成だけ
- 叩き台まで
- 表現の補助だけ
「全部AIでやる」ではなく、
役割を限定することが重要です。
③ 完了条件(どこで終わるか)
これが一番大事です。
- この条件を満たしたら公開
- この形になったら次へ進む
完了条件が決まっていない改善は、
必ず迷走します。
「70点で出す」ことは妥協ではない
よくある誤解があります。
まだ改善できるのに出していいのか
結論から言うと、
出していいです。
なぜなら、
- 実務は積み上げないと見えない
- 成果は比較でしか判断できない
- 次の改善は「出した後」にしか生まれない
からです。
70点で止める勇気は、
AI時代における判断力そのものです。
AIは「思考加速装置」であって「決定装置」ではない
AIを使うと、考えるスピードは上がります。
視点も、選択肢も増えます。
だからこそ、
- 判断の軸
- 止める基準
- 成果の定義
を人間側が持っていないと、
情報量に押し流されます。
これはAIが悪いのではなく、
設計がない状態で使っているだけです。
迷ったときの戻り先を決めておく
もし今、
- 改善が止まらない
- 何が正解か分からない
- 進んでいる実感がない
と感じたら、一度立ち止まって、
- 自分は何を成果と定義しているか
- 今はどの段階なのか
を整理してください。
そのための考え方は、こちらでまとめています。
まとめ:AIで成果を出す人は「判断を先に決めている」
AIをうまく使っている人は、
- 改善案を多く出している人
- プロンプトが上手い人
ではありません。
判断の基準を持ち、止められる人です。
AIは便利です。
ですが、設計がなければ振り回されます。
改善は手段であって、目的ではありません。
成果に繋げるために、
「どこで終わるか」を決めてから使いましょう。

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